温泉街のタクシーの運チャンを信じるな! Part 1

私は、今では面影もありませんが、高校から大学と野球部に所属していました。高校時代は公式、大学は軟式、です。
大学の軟式野球部は、一応体育会でして、東都L号軟式野球リーグの一部に所属するそこそこ強い学校でした。
で、その軟式野球部では年に8回、コンパ(要するに飲み会)が行われます。一年の最後に行われるコンパが「追いコン」、要するに4年生の卒業を祝う「追い出しコンパ」です。これは一泊二日で行われます。
私が一年生の時の追いコンは熱海で開かれました。宴会が終わったあと、4年生と3年生は夜の街に繰り出しました。残った私たちはこれからどうしようか、と話をしていました。
そこへ風俗好きで有名な2年生のH先輩がやってきて、
「オイ、お前ら、俺がいいところに連れてってやるよ」というので、ついていくことにしました。
H先輩はいかにも慣れている感じでタクシーに乗り、
「運転手さん、若い娘と遊べるところある?」
と聞くと、運転手が
「いいところがあります、穴場なんですよ」
と言うので、「そこにやってくれ」ということになりました。
道中、H先輩は運転手に「30以下じゃないとダメだよ」「きれいな娘じゃないとダメだよ」というと、運転手は「大丈夫です、任せてください。みんな20そこそこだし、オッパイは大きいし……」と答えます。
H先輩は私たちに「お前たち、覚えておけよ。こういうところではタクシーの運転手が一番情報通なんだ。だからタクシーの運転手に頼めば間違いがないんだ」と自慢気に言いました。おりるときには運賃のほかに「チップだ」と言って5000円ほど渡していました。
各自が部屋に通され、私はわくわくしながら「二十歳そこそこの胸の大きい娘」を待っていました。
ところが、「失礼しまぁ〜す」と言ってはいってきたのは
「30年以上前に」二十歳そこそこのやつ(-_-メ)
そして、胸は確かに大きいが
「腹が「13段腹」(-_-メ)
要するに
ただの「デブ」のおばさん(-_-メ)
途端に萎えてしまいました。
それでもウン万円払っているのでもとはとらねば、と頑張ってはみたのですが、
おばはんに
あんた、だんだん小さくなっていくじゃない
と言われてもうダメ。結局フィニッシュまでいくことなく、ウン万円は水の泡と消えました。
他のやつも同様だったそうです。
それ以来、H先輩の威厳がなくなったことは言うまでもありません。