忠実に再現するなら、ディテールにこだわって欲しかった

そこでわかったのが、土曜日に再放送をしていた「赤い疑惑」を見た時に感じた違和感。
石原さとみには山口百恵のような陰が無いということではありません。
石原さとみの場合、何不自由なく大切に育てられてきた(と思いますが)から
彼女に山口百恵を求めてはいけないというのは、
ハナから承知のことですから。
新聞の批評なんかで、「昭和の時代を忠実に再現した」とか褒めていましたが(たとえば携帯電話が出てこないとか)、見ていて
「何かが違うわぁ」
と感じたのですが、その正体は陣内孝則にあったんですね。

陣内がやっていたのは、オリジナルでは宇津井健がやっていたのですが、
「臭さ」の質が違うんですね。
大映テレビといえば、演技の臭さ(大仰さ)が代名詞でありますが、
陣内孝則も確かに演技は臭い(大仰な)んですが、
大映テレビ的臭さ」ではなく、「共同テレビ的臭さ」なんですよ。
何がどう違うというとうまく説明はできないんですが、
赤い疑惑」での陣内の臭さは宇津井健の(大映テレビの)それではなく、
やっぱり「愛しあってるかい」とか「君の瞳を逮捕する」とかのそれなんです。

あの時のオリジナルを忠実に再現する、と言うなら、そういうことにこだわって欲しかった。
陣内だけではなく、内藤剛志なんかも同様。石立鉄男的臭さを出して欲しかった。

録画しなくて正解でした。