テレ朝が抱える致命的な構造

さて、その次の「下北サンデーズ」。
主演コケまくりの上戸彩ですが、石田衣良原作で堤幸彦演出、藤井フミヤ主題歌となれば
外すはずはないと思うのですが、結果は途中打ち切りの憂き目。
私は最初は?だったのですが、回を追うごとに嵌まっていきました。
私も昔小演劇に嵌まっていましたし、
mishiiさんご用達の「さくら水産」が「ちくわ水産」として登場するし、
甲本ヒロトがバイトしていたことで有名な「眠眠」がモデルのラーメン屋は店員がパンクだし
小演劇出身の俳優も使っていて、
山口紗弥加、竹山隆寛、大嶋美幸(森三中)などもいい味を出していました。
強いていえば、上戸彩のライバル役がいなかったことですが。
ただ、石田原作ー堤演出と言うのは「池袋ウエスト・ゲート・パーク」の黄金コンビですが
あのドラマも最初の放送の時には、まったくの不評だったんですね。
それが深夜の再放送やDVD発売で火がついたわけですが、
このコンビのドラマって、けっこう細かい部分に凝った演出をしていて、
一度見ただけだとわからない部分があるんですよ。
何回かみていくうちに、「あぁ、ここはそういうことか」と言うことに気づくわけで。
そういったことに最初に気づくのは、いわば「ヲタ」層で
そこから口コミ等で広がって、一般人に波及していくわけです。
そういう最初にこのドラマを見るべき人たちは21時からは見ないと思うんですよ。
22時以降でないと。
ところがテレ朝の場合、22時からは「ニュース・ステーション」→「報道ステーション」と続く流れがあって
しかも視聴率がいい訳です。
つまり「報道ステーション」と言う看板番組があるために、本来22時以降にやるべき内容のドラマを
もっと早い時間にやらないといけないと言う構造的な問題を抱えているわけです。
このドラマ、金曜の23時15分からの枠でやったら、もっと話題になったはずです。
その時は上戸彩は主演には出来ないでしょう(ギャラ高いし)。
でも、たとえば平山あやとかが主演でも、この時間帯だったらOKだし、
このドラマの面白さも充分に伝わったわけです。
地主のボンボン(忍成修吾)が飛び降り自殺を図るあたりから話は盛り上がりそうになったのに、
途中打ち切りのために中途半端な終わり方に。
すごくもったいない気がします。
かすかな頼りは、これからでるDVDが話題になることですが、
その話題を盛り上げる人たちに浸透していないだけにまず無理でしょう。
最高の素材を、テレ朝ドラマ制作部(編成局なのか)と言うクズ料理人が調理したために、
すべてを台無しにしてしまったわけです。