「ドラマ・けものみち」親父の域にはまだまだ

さて、綾瀬はるかヲタのインチキエスパーw(Zu)ikoさんが「白夜行」を見ている時間、私は「けものみち」を見ています。
ご存知のように松本清張原作で、かつてNHKの土曜ドラマで、和田勉演出で放送されました。
その時とのキャストを比較すると、

となっています。
米倉涼子は「黒皮の手帖」に続く松本清張ものの主演です。
私は米倉涼子と菊川伶というのがなぜこんなにドラマの主演で使われるのか(特に後者)
常々疑問ではあったのですが(やはりオスカーの力なのでしょうか?)、
たまたまNHKで(もう放送は終わりましたが)「出雲の阿国」を菊川伶がやっていたのですが、
共に、意外にも嵌まり役になっていたので、
ちょっと再評価をしています。
ただ、名取裕子米倉涼子、共に非常に男っぽい女優さんなんですが、
色気は遥かに名取の方があると思います。
もっとも名取裕子のデビュー作「おゆき」で「兄やん」と言う土佐弁にノックアウトされて以来の名取ファンなので、多分に贔屓目も入っていますが(^.^;)
佐藤浩市は私の中では村上弘明と並ぶ二大ナルシスト俳優ですが、
今回もナルシズムタップリの演技です。
ただ、村上弘明のナルシズムは杉良太郎に連なるもので、
要するにカメラの向こうにいる視聴者に対して
「俺って格好良いだろう」というナルシズム。
今「八丁堀の七人」に青山という与力役で出ていますが、
与力のくせに着流しで江戸市中を歩き、
カメラ目線の流し目で「オイラ、こう思うんだ」というセリフを言うところは、
まさに杉良太郎そのもの。
それに対して佐藤浩市のナルシズムは舘ひろしに連なるもので、
自分の演技に酔っているもの。
「この場面をこういう風に演じる俺って格好良い!」なのです。
ただ、舘ひろしの場合は、自分自身の格好良さを十分に理解しながらも、
それをキザと感じさせない(全くない訳ではないが)けれども、
佐藤浩市の場合はまだその域にはいっていません。
年齢のせいもあるでしょうが、親父(=三国連太郎)への道は遠く険しい?
若村麻由美は嵌まり役です。やっぱり上手な女優さんです。
米倉との確執とかの場面は迫力満点でした。
何で、あんな変な親父と結婚したのでしょうね。
平幹二朗の鬼頭は、西村晃とはまた違ったいやらしさをうまく演じています。
ただ、西村の方が「スケベ親父」の要素が強かったのに対し、
平の方は「権力爺」の要素が強いかな、と。変態度は断然平です(藁
久恒と秦野は年齢が若くなっているのですが、これはこれでいいのでは。
ただ、所轄の刑事の悲哀さは伊東四朗の方がうまく出ていたかな、と。